法令遵守にとどまらない電子帳簿保存法対応から
最終的な生産性向上を目指した業務フロー見直し

株式会社日本電商様

株式会社日本電商

1927年創業、電設資材・設備機器の総合商社。大阪に本社を置きながら九州から関東までの広域に事業所を構える。顧客は機械・建設建築・防災機器と幅広い業態かつ、上場企業をはじめとした大企業から各エリアの中小企業までをカバー。社内にシステム部を抱えながら、業務効率の向上とペーパーレス化を積極的に推進し、業績アップを目指す。

提供ソリューション

  • ITコンサルティング
    電帳法対応に伴う内製規定・業務フローの見直し支援
    全8営業所・部門へのヒアリングによる課題の可視化
    現場の負担を抑えたシステム(NIストレージ)等の選定・導入支援

導入の背景

  • 法令遵守と生産性向上の両立
    電子帳簿保存法への対応が必要となった際、単なる法対応にとどまらず、社内スローガンである「生産性向上」の実現に向けて紙文化を改める必要があった。
  • 大量の紙書類と保管コストの増大
    受注伝票をはじめとする毎日の紙書類が多く、ダンボールがいくつも積み上がるなど、現場での保管・管理が大きな負担となっていた。
  • 自社のみでの社内規定見直しの難しさ
    社内規定や過去の経緯にとらわれて書類の要・不要が判断できず、手探り状態のまま見直しが進んでいなかった。

導入の決め手

  • 現場のやり方を変えない現実的な運用提案
    現場の負荷や作業ミスを抑えるため、既存のフローを崩さずシステムのデータ保存で解決する細やかなルール設計を提案してくれた。
  • 顧客側の説明コストを激減させる、脅威的な業務キャッチアップ力
    外部パートナーでありながら、自社固有の商流や拠点ごとの特殊な業務フロー、専門用語を即座に紐解き、現場に説明負担をかけることなくプロジェクトをスムーズに牽引した。
  • 社内規定の改定まで一緒に取り組む伴走姿勢
    ツールの導入だけでなく、税法と照らし合わせた社内規定の見直しまで深く踏み込んでサポートしてくれた。

導入の効果

  • 紙のやり取りで滞っていた業務のデジタル化と迅速化
    毎日紙で出力していた受注伝票や社内手続きをデジタルに置き換えたことで、営業所ごとのやり取りがスムーズになり、社内全体の業務スピードが向上。
  • 「念のため保管」の脱却による保管スペースと費用の最適化
    「念のため」と7年間眠っていた不要書類や積み上がったダンボールの山を特定・廃棄し、将来的な倉庫費用や管理コストを見える形で削減できる目途が立った点。
  • 社内規定の継続的な見直し意識の定着
    自社ルールである社内規定を「法令に触れない範囲で柔軟に変えてよいもの」と捉え直せるようになり、今後の業務改善に向けた意識が社内に定着した。

Interview

株式会社日本電商
経営管理部 次長 吉田和広様 
経営管理部 システム企画グループ 所長 藤井健様

御堂筋税理士法人
税理士/マネージャー 高岡亜子
税務チーム 才木陽介

プロジェクトは現状の棚卸から

はじめに、御堂筋税理士法人との出会いを教えていただけますか?

次長: 一番初めに御堂筋税理士法人様と出会ったのは、とある案件だったんです。弊社の顧問税理士さんからの紹介で、松本さんと香取さんとお会いしたのがはじまりでした。

高岡: 今回の電子帳簿保存法への対応についても、顧問税理士さんから繋いでいただきましたね。

次長: そうなんです。まだ電子帳簿保存法が施行はされていなくて、どこの企業も準備段階だったんですが、顧問税理士さんと香取さんがずっと繋がっておられて、御堂筋税理士法人様なら対応できるかもということで改めて繋いでいただきました。

才木: 今回のプロジェクトでは、電子帳簿保存法をきっかけに御社の社内規定の見直しやペーパーレス化に向けた業務フローの見直しなどを幅広く行っていきましたが、会社としてどのようなかたちで電子帳簿保存法に取り組もうというのは、どのような理由があったのでしょうか?

次長: もちろん、法令遵守というのがベースにあります。それと併せて弊社において生産性の向上というスローガンを掲げているのですが、それを進めようと思うと紙の文化では限界があるので、電子帳簿保存法への対応を取り入れたうえで、業務負担が減るようにやっていこうということです。

所長: 今回の電子帳簿保存法はすごくいいきっかけになったと思います。弊社における社内規定の中にある文書の保存期間とか、税法上の保存の必要性なども見直していくことができましたし、それがなかったらメスを入れることもなく、ただ過去の決まり通りにやり続けていたと思います。

8カ所の営業所へヒアリング、部門と営業所ごとの違いをすべて把握していく。

高岡: 様々なことを棚卸して、一緒に見直していくことになりましたが、最初のフェーズはまず8カ所の営業所へのヒアリングでしたね。最初に「だれ」が「どこ」で「どんな」書類を作っているのか、それがどこに「どのように」保管されているかが明らかになるようにフォーマットをつくって、それをもとにヒアリングで情報整理を進めていきました。

所長: 部門ごとに取り扱う商品やサービスも違いますし、営業所においてもお客様の支払い規定に合わせて動いている部分もたくさんあるので、それらを一緒に確認していただくのに半年かかりましたね。

次長: 大変な作業ではありますが、高岡さんも才木さんも、弊社の仕事をしたことがないのに、帳票の目的や用途を理解するスピードが早くてびっくりしました。

高岡: ありがとうございます(笑)。お二人もすごく現場のことや仕事の流れを理解されているので、何を聞いても解説してくださるのは大変助かりました。

次長: 私はまだ本社に来てからより、営業の現場にいた期間のほうが長いので、その経験は活かすことができたなと思います。

才木: 御社は取引されている会社様の規模や体制も数多くあります。さらに、7つの部門と、各エリアそれぞれのやり方の違いなどを把握して、その次のフェーズの取捨選択のために全体を知る必要があったので、一番パワーと時間がかかるフェーズになったかもしれません。

所長: 一部の営業部では未だに苦労をされている部分ではありますが、発注の連絡が電話メインのため、伝票や集計はこちらで行っていかなければいけなかったり、お客様の商品名でのご依頼と当社の品番への置き換えで勘違いが生じるケースもあるので、どうしても確認の手間が必要になるんですよね。

次長: 場合によっては返品も発生しますので、複雑な処理も含まれます。

法令対応と業務フェーズの照らし合わせをしながら適応方法を組み立てていく。

才木: 現場のみなさんもヒアリングにもすごく協力的で、真面目な方ばかりで本当に助かりました。情報の棚卸がきちんとできたので、次の検討フェーズにも移ることができました。整理が進んだところで、次のステップとして、業務上保存が必要な書類と、直接みなさんの業務には必要がないものの税法上必要な書類を整理しなおしていきました。

高岡: 現場のみなさんへの負担を少なくするために、できるだけ業務フローが変わらないように、かつシステム側のデータの保存で対応できるような部分は、そのままこちら側の変更だけでやっていこうなど、細かな調整を重ねていましたね。

所長: あとは、やはり手作業が多くなるとその分ミスも増えるので、機械的に出来るところはできるだけ機械的にやっていこうというふうにも考えていました。

才木: その一方で、システムだけでやりとりしているEDI取引については要件を確認してもらって、要件として必要なことを満たしているもの、満たしていないものもチェックしていきました。

所長: 書類を保存する場所の選定もいろいろ候補がありましたよね。タイムスタンプ付きのものとか、どういう機能が必要なのかを選びながらでした。いくつかの選択肢を見ながら、今の業務にできるだけ近いものがいいんじゃないかという方向に定まっていきましたね。

高岡: 最終的には既存システムの機能の中から、選択肢を絞り込んでいって、NI-Collaboで運用していくことになりました。もともと経費精算なども利用していたのでスムーズに導入することができました。

次長: メールから書類をそのまま保存できたり、クラウドの中で同じ作業ができたりするところがすごく良かったですね。

高岡: 整理ができたものは顧問税理士さんにも確認をいれながら、一定の区切りをもって新しい方法でやっていこうということで順次リリースしていきました。

ペーパーレスの推進は、業務のあり方の見直しと同義。

すでにあった社内規定と税法、過去の指摘事項との照らし合わせ。

才木: 整理しているなかでも、御社の社内規定の中にある資料の名前とヒアリングで出てくる書類の名前が一致しないところがあり、そういった部分でも精査に時間がかかりましたね。ある程度税法上の整理がついたところで、本格的なペーパーレス化に向けても、社内規定の確認や精査を進めていきました。

次長: ペーパーレス化を進めていくうえで、書類のことや業務の流れを理解していても、これまでは社内規定に基づいて仕事を進めてきたので、その書類は保存しなくてもいいものか、または保存しなければならないものなのかという判断が出来なくて。

高岡: そうですよね。今回は電子帳簿保存法を含めた税法上必要なものと、社内規定や御社の業務の中で必要なものと、さらにはこれまでの税務調査で指摘された事柄をもとに、こういった情報は置いておいたほうがいいというものと、3つの視点で整理していく必要がありましたね。

次長: そもそも弊社の紙文化というのは社内規定の影響が強いんです。書類も規定で7年保管するものが多くあるんですよね。

高岡: 書類倉庫を拝見させてもらったときは、ダンボールがいくつも積み重ねられていて圧巻の風景でしたね。

所長: 倉庫で書類を保管するために経理スタッフが苦労していますからね。だからこそ、このダンボールをなんとかしたいというのはずっとあったんですよね。

次長: 社内規定もたくさんあって、見直すタイミングは都度になっていたことと、やはり内部統制的に触ってしまっていいのかな?という気持ちもありました。しかし、そもそもは自社の中で定めたルールに過ぎないので、法律に抵触しないのであればこの機会に見直すというのは、良いきっかけになりました。

現場レベルでのペーパーレス化と実態。

高岡: 社内規定上はもちろんですが、新型コロナの影響等で電子取引が増えたということはなかったんですか?

所長: 電子取引が増えたというよりも、電話取引が減ったと聞いています。コロナ禍でお互い事務所にいない時間が多くなったというのが影響しているようです。

次長: 先ほども話に出ましたが、それでも電話の取引は多い方で、ペーパーレスを進めるうえで、現場には保存しなければならない書類が複数あるというのは苦労する点だと思います。

才木: 実際は何のペーパーが一番多いですか?

次長: やっぱり受注伝票が一番だったでしょうか。受注があったらメールもFAXも電話も必ず書き起こすというものが、社内規定で決まっていて、それが毎日出るので量が多くなりますね。

所長: そうですね。防災営業部門のほうはECサイトも立ち上がったのでそれによっても、ペーパーレスが進んでいくのではないでしょうか。

高岡: 今回ご相談いただいた当初も「受注伝票は肝入りなんです!」というお話をされていたので、ここにしっかり取り組んでいけたのはよかったですね。

実感値としてのペーパーレス化。

次長: 受注伝票以外にも、今回の見直しで、本当はいらなかったのに7年間も保管していたものが多く見つかりました。社内規定を作った当初は、念の為置いて置こうということだったと思うんですが、改めて見直すとそこまでの保管が必要なかったということに気づくことができたわけです。

所長: データで残っているからわざわざ紙で保管する必要がないよね、というようなものもありましたよね。繰り返しになりますが、そのあたりを整理する機会になったので本当によいプロジェクトになったと思いますね。

才木: 今回で保管期間を3ヶ月や1年に短縮したものもたくさんあるので、1年経つだけでもかなり減っていくんじゃないかなと思いますし、7年後にはかなりの削減になっていると思います。

次長: そうですよね。これから書類が減っていけば倉庫の負担も減りますし、紙自体のコストも削減されていくと思います。そういった部分でも見えるかたちで成果が出てくるのが楽しみですね。

スムーズな導入フェーズを可能にする組織とこれからの取り組み・課題。

導入フェーズで苦労しないための、導入準備フェーズ。

高岡: ヒアリングのときからもそうですが、御社のみなさんはすごく協力的で、今日からNIストレージに保存してくださいと通達したときも、すぐに対応してくれましたよね。

所長: 確かに決まったことはキッチリとやろうとしてくれますよね。ただ導入当初は、これはこういう保管でいいのか?など質問はたくさんあったんですよね。

才木: 正直、そういった質問さえも上がってこないという会社さんもあるくらいなので、真面目な方も多くて素晴らしいなと思います。

次長: トライアルもやりましたからね。3ヶ月程度FA営業部さんのところでまずは触ってもらってから全社展開という流れです。受注伝票のスタイルの変更も、同じ流れでやっていました。

所長: 会社的に見切り発車はしないというのは他のことでもあると思います。システムを導入するときも、並行期間を設けたり、それが難しいときはテスト環境でシステムを公開して事前に触ってもらって質問を受け付けたりなどはやるようにしています。

高岡: これをなくしたらどうなるか?というのはいろんな人に聞いて意見をもらったり、受注伝票を使用する場合は、カウンターを使って連番の管理を試してみたりとアナログな方法も含めて様々な検証をしていただきました。

才木: 導入後苦労しないように準備段階で苦労するという感じですね。実際には苦労という印象はなかったですが、スムーズな導入にはなったと思います。

変えることの勇気。

次長: それでもやっぱり新しいことをするのはすごく勇気がいるというのは感じますね。非効率とわかっていても、今のままでいるのが一番楽ですからね。NIストレージの操作も、やり方自体は3〜4クリックだとは思いますが、それでさえ営業所にやってもらうのはすごく勇気がいりましたね。

高岡: 非効率な仕組みだったとしても、現場レベルでは職人技のようなやり方が浸透していたりするケースも多いですよね。

次長: そうですね。書類を保存する意味もそうですし、書類の数が増えることもあるのでそれに対する理解を得ていくためにはしっかり説明していかないといけないですね。

才木: とはいえ、経験上は新しいことを導入すること自体で苦労されることが多いですが、大きなトラブルもなく導入できたのは、日本電商の社風のおかげだと思います。今回導入にあたっては説明会や研修はどれくらいされましたか?

次長: 一度勉強会をしていただきましたよね? その後にもう1回全社でやったので2回は説明しました。

所長: そうですね。そのときも反対意見のようなものはなかったですね。うちの営業所ではお客様が多いから容量が足りないとか、そういった進めていくための意見や質問はありました。

高岡: 事前に業務の方と各営業所の所長さんが、こんなトラブルが起きそう、こんなエラーがありえるという想定をまとめてくれていたので、 meたちも事前にいろんなことを対策して臨むことができました。

次長: それは弊社の色なのかもしれませんね。

販売業務規定から着手したプロジェクト、最終的な業績向上につながるペーパーレス化を目指す。

才木: 今現在、ペーパーレス化はどれくらい進んでいるイメージですか?

所長: ワークフローの構築で、社内申請等で行き交うペーパーはペーパーレスになっていると思いますね。承認作業もすごく早くなったと思います。

次長: 確かにすごく早くなりましたね。お客様の請求書がWEB化されたのは生産性的にもコスト的にも大きいんじゃないかと思いますね。印刷して、確認して、封筒に入れて、切手を貼ってという作業がなくなりますからね。

高岡: 単純に郵便代も上がりましたからね。コストのインパクトは長い目で見ても大きいと思います。

次長: いろんなことが進んでいって、私あてに電子帳簿保存法やペーパーレス化の営業電話が掛かってきた時は、「当社は取組みをしているので大丈夫です」と自信を持って返答できるようになりました。あとこれからは社内規定を触りながら、いかに営業所の業務効率を上げられるかというところでしょうか。

所長: そうですね。今回のプロジェクトで社内規定は変えていいっていうのは、ひとつの驚きのようなものだったんですよね。変えていいんだったら、いろいろと考えていけば業務効率は上げていけるなと。

次長: 営業所の業務をいかに減らして、業務負担を減らすことができれば、効率化された中で業績アップに正転できる力ができるということを意識しています。

所長: そのひとつとして、納品書をWEB化していきたいなと取り組んでいます。その前段階として、ふたつある売上伝票をひとつにしないとフォーマットとしてWEB化できないので、営業の方にもすごく協力してもらっています。

次長: 下手ペーパーレスだけを進めて業務負担が増えれば、営業所は大変ですからね。しっかり情報交換をしながらやっていかなければいけません。

高岡: そういった意識がおありなので、売上につなげるためにも販売業務規定の見直しから着手されたのかもしれませんね。

所長: 確かに、営業所の実務効率を考えつつ、何かあった時の確認用に一定期間保存するように考えて規定を見直していくのは難しいのですが大切なことなんです。

次長: 税法上の保存の必要性と営業所の生産性向上を考えながら進めていくのが大変でした。

高岡: これからは、社内規定を変えることによって、紙が減って、保管コストが下がって、作業時間が減って、そして売り上げがあがっていくという流れをしっかり効果測定していきたいですね。

次長: そうですね。なにごとにも目に見えるのが一番ですからね。ダイエットと一緒で、数値や目に見える形で効果が出れば、また頑張ろうという気持ちで次につながっていくものと思います。

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